
かけっこで速く走れるようになるには!?(前編)


かけっこで速く走れるようになるには!?(前編)
皆さま、こんにちは!
ウィンゲートトレーニングセンター、キッズ事業部の山田です!
今回のテーマは「かけっこ」
5月は運動会がある学校も多く、運動会に向けて走る練習をしているお子さんもいるのではないでしょうか。
子どもの指導現場でも「速く走れるようになるにはどうすればよいですか?」という質問をいただくことが多々あります。
走るという動作は様々な運動に欠かせないものであり、速く走れることに越したことはありません。
子どもたちの中でも足が速い子は一目置かれ、みんなから憧れの存在になることもありますね。
そんな「かけっこ」で速く走れるようになるためにはどうすればよいのか、いくつか運動方法を紹介したいと思います!
しかしここで気をつけてほしいことは、「来週までに速くなりたい」「すぐに結果を出したい」という方のご希望には沿うことはできないということです。
上達したいのであれば何事も習慣化していくことが大切です。
オリンピックで活躍するプロの選手でさえ、何年も練習を続けてやっと結果が出ます。
あるいはなかなか結果が出ないという場合もあります。
日々の運動習慣が一番重要であるということを理解したうえでご覧になっていただければと思います。
「走る」ということを考える

まず「走る」とはどのような動作なのか考えてみましょう。
私は指導の際、「『歩く』と『走る』の違いは?」と子どもたちに聞いています。
このように子どもたちに考えさせることが、実は上達の近道なのです。
子どもたちは「歩くは遅くて、走るは速い」や「歩く時は足がゆっくり前に出て、走る時は速く前に出る」など色々な答えを出します。
中には的確な答えを出すお子さんもいます。
答えは合っていても、間違っていてもどちらでもいいのです。
まずは子どもたち自身が考えて運動することが重要です。
こちらから課題を与えてやらせるだけであれば指導者はいりません。
今の時代はコンピューターがどんどん発達しているので、課題を与えるだけであればロボットに任せればよいのです。
ただやらされているだけの運動と自分で考えたうえで行う運動とでは成果が確実に変わります。
ぜひ色々なことを考えさせたうえで運動をしてほしいと思います。
普段から考えて動けている子は想像力も豊かになりますし、上手になるためにはどうすれば良いか自分で考えるので上達も早いのです。
さて、「歩く」と「走る」の違いを簡単に説明すると
・「歩く」は片足が地面に着いている状態
・「走る」は両足が地面に着いていない状態
です。
これを基に考えると「走る」とは片足ジャンプ(ケンケン)を交互に連続して行う運動ともいえます。
実は、「走る」という運動は簡単そうに見えて、とても難しい運動なのです。
まずは「走る」という運動を考えさせたうえで、次のような「走る」練習をしてみましょう。
片足でバランスをとる、ジャンプする

上で説明したとおり、まずは片足で立てるか確認してみましょう。
「片足バランス~何秒片足で立っていられるかな?ふらふらしないでできるかな?」
と子どもと一緒に片足バランスをしてみましょう。
意外と大人でも上手くできない場合もありますね。
次は、両足のジャンプ! まずは両足でやってみましょう。
「両足でグージャンプ!連続でできるかな?できたら前に進んでみよう!」
さらに、片足のジャンプ(ケンケン)にも挑戦してみましょう。
「次はケンケン!片足ジャンプで前に進んでみよう!反対の足もやってみよう!」
※チェックポイント!
ジャンプで着地する際に足裏をベタっと着いて
「ドンドン、ベタベタ」
と大きな音が鳴ってしまう子に対しては少しアドバイスをしてあげてください。
速く走るためにはできる限り地面に接地している時間を減らしたいので、
「速く前に進むためには足を地面にベタっと長く着いているほうがいいかな?
それとも速く地面から足を離したほうがいいかな?」
と考えさせます。
多くのお子さんが後者を選びます。
そこで有効なのは子どもたちが分かりやすいようにイメージさせることです。
「ベタっと着かないで速くジャンプしよう」
と伝えます。
さらにイメージがわきやすいもので説明してあげるのも効果的です。
「ベタベタではなくてトントンとジャンプしてみよう」
「つま先で跳んでみよう」
「地面が熱いフライパンの上だと思って跳んでみよう」
などイメージさせ、どんなイメージがお子さんに当てはまるのか試してみてください。
瞬発的にジャンプやケンケンができる子は走るのも速い傾向にあります。
ぜひお子さんと一緒に遊びながらジャンプ、ケンケンをやってみてください。
縄跳びもおすすめです!
腕を振ろう

次のポイントは腕振りです。
腕振りも子どものかけっこでよく課題となるポイントです。
腕振りが大切な理由は、色々ありますが、一番は腕振りによる肩甲骨と骨盤の連動を起こすためです。
正しく腕を振れれば骨盤がスムーズに動き、より効率よく脚が前に出るようになります。
腕を大きく振れば脚がより前に出て歩幅が広くなりますし、速く振れば脚がより速く前に出やすくなります。
速く走る=脚の歩幅(ストライド)×脚の回転速度(ピッチ)
なので、脚をより速くより遠くに出せると速く走ることができます。
子どもたちによく見られる腕振りの課題をいくつかあげてみます。
①肘が伸びる
腕振りの理想は肘を90度くらいに曲げた状態を維持して振ることです。
しかし、肘が伸びてしまうことがあります。
肘が伸びてしまうと、遠心力によって次の腕振りが遅れてしまいます。
小さく前習えの形で肘を曲げ、まずは両腕一緒に振っていき、次に交互に振ってみます。
肘を曲げたまま振れるかやってみましょう。
②腕を横に振る
わきが開いた状態で横に振ってしまうと身体が必要以上に捻じれてしまい、効率が悪くなってしまいます。
わきをしめて、前後に振ってみましょう。
③手のひらを強く握りすぎる
手のひらを強く握りすぎてしまうと余計な力が入り、スムーズに振りにくくなります。
ふわっと握るか、パーに開いて振りましょう。
まとめ
速く走るためには色々なポイントがあり、全てできるようになれば速く走れるようになるかもしれません。
とはいっても一度にたくさん教えてもなかなか全てを意識することは難しいですね。
子どもであればなおさら難しいことです。
子どもに教える際は、まずはできているところを教えてあげてください。
「〇〇ができていない」「〇〇がだめ」
といった否定的な言葉だけだと面白くなくなってしまうので
「〇〇ができているね。じゃあ次は〇〇をやってみよう」
というように肯定+課題を教えてあげるとやる気が出やすくなります。
上記で説明したかけっこのポイントを練習することも良いですが、
一番重要なのは運動を習慣化し、普段からたくさん身体を動かして遊ぶことです。
お子様がいるご家庭は普段からたくさん身体を動かして遊ぶ習慣をつけていただくと、走ることもそうですが、様々な運動能力の向上が見込めます。
次回は今週土曜日
「かけっこで速く走れるようになるには!?(後編)」です!
お楽しみに!
ウィンゲートキッズ
http://www.wingate.club/kids.html