
2018.06.22

アンチ・ドーピングのルールを知ろう!①

こんにちは。ウィンゲートトレーニングセンター、専属トレーナーの岡田英之です。
これまで、様々な内容の投稿をしてきましたが、その中で何回か「ドーピング」という言葉を使ってきました。
「ステロイド」という薬に対する勘違い
サプリメントを安全に正しく使う
特に「ステロイド」と「サプリメント」は注意が必要だということは、ご存知の方が増えてきている印象があります。
「ドーピング」という言葉自体はご存知の方は多いでしょう。オリンピックの時は大会中や大会前後に必ず話題にあがります。(本当は話題になってほしくはないのですが・・・)
「何かを摂取したことでドーピング検査で陽性反応が出た」ということで、何か禁止されているものを使うことが「ドーピング」だと広く一般には認識されていることでしょう。
それはそれで正解です。
しかし、ルールとしてはそれだけではないということや、そもそも何故ドーピングが禁止されているのか、ということについてはなかなか知られていないことです。
その辺りのことについて、スポーツファーマシストの立場から今回・次回と2回に分けてご紹介していきます。
言葉の由来は諸説ある様ですが、先住民族がお祭りの際、興奮するために「DOPE(ドープ)」という強いお酒を使っていたことが語源と言われています。
「ドーピング」は「スポーツの世界で使用が禁止されている物質や方法を使用したり、またその使用を隠したりすること」とされています。
また、「ドーピング」に対して「アンチ・ドーピング」という言葉を使いますが、これは「ドーピングに反対して、ドーピングをなくそうとすること」です。我々スポーツファーマシストの活動はこの「アンチ・ドーピング」活動です。
そして、アンチ・ドーピングの規則は「世界アンチ・ドーピング規定(World Anti-Doping CODE)」と呼ばれる世界共通のルールに従っています。

ドーピングは何故禁止されているのか・・・・。
単純に考えれば、それはズルいから。薬などに頼って楽な方法で勝とうとするのですから。
しかし、それだけではありません。
こういった理由で禁止がされていますが、これらは全て一つのものに集約されます。
それは、「スポーツの価値」を損なうということです。
「価値」というものはスポーツにも存在します。
スポーツの価値・・・・・考えてみたことはありますか?
漠然としたものなので、言葉に表すことが難しいかもしれません。
ですが、スポーツをすることによって何を得られるかを考えてみてください。
自分が目標を達成した時・・・・
勝った時・・・・
応援している選手が頑張っている姿を見た時・・・・
サッカーW杯で日本代表がゴールを決めた時・・・・
この様なときに何を感じ、またその過程で何を得られるでしょうか?
達成感・喜び・チームワーク・レベルアップした競技力・感動など・・・様々なものを感じ、また得ることが出来るでしょう。
世界アンチ・ドーピング規定ではスポーツの価値を次のように記載しています。
これらはスポーツに内在し、スポーツを通して実現するものとされています。
「ドーピング」はこれらスポーツの価値を損なうものです。
応援していた選手が意図的にドーピングをしていたらどんな気持ちになりますか?
対戦相手がドーピングをしていたことを知ったらどう感じますか?
ボクシングの山中慎介選手や男子ハンマー投げの室伏広治選手は、ライバル選手のアンチ・ドーピング規則違反によりどの様な気持ちになったでしょうか・・・?
「ドーピング」によりそこにあった「スポーツの価値」はすべてなくなってしまいます。
「ドーピング」は単純にズルいという理由だけではなく、「スポーツの価値を損なう」という理由で禁止されているのです。

薬を飲むことによって違反となることは想像ができるかと思います。
では、規則について見てみましょう。
以上のように、アンチ・ドーピング規則違反は10項目あります。
そうです、見てわかるように「禁止物質を使うこと」だけが違反ではありません。
そして8番目「他の選手に対して禁止物質・禁止方法を使用すること」を見て何かを思い出しませんか?
そう、カヌーの事件です。他のアスリートに禁止物質を摂取させるような行為を行った事例です。これは「パラ・ドーピング」と呼ばれるものです。
トップ選手になると、この様な事例を防ぐためにファンからの差し入れなどは決して口にしないことを徹底しているアスリートもいます。また、レストランで座席を離れる際にも注意が必要です。その間に何をされるかわかりません。
アスリートは自分の口に入れるものは全て気を付けていなければならないのです。
「ドーピングはやってはいけない」という理解はあるかと思いますが、ではなぜなのか?また詳しいルールはどんなものなのか?ということについてはなかなか知る機会がないと思います。
是非この機会に「アンチ・ドーピング」というものを少しでも考えてみて下さい。
これまで、様々な内容の投稿をしてきましたが、その中で何回か「ドーピング」という言葉を使ってきました。
「ステロイド」という薬に対する勘違い
サプリメントを安全に正しく使う
特に「ステロイド」と「サプリメント」は注意が必要だということは、ご存知の方が増えてきている印象があります。
「ドーピング」という言葉自体はご存知の方は多いでしょう。オリンピックの時は大会中や大会前後に必ず話題にあがります。(本当は話題になってほしくはないのですが・・・)
「何かを摂取したことでドーピング検査で陽性反応が出た」ということで、何か禁止されているものを使うことが「ドーピング」だと広く一般には認識されていることでしょう。
それはそれで正解です。
しかし、ルールとしてはそれだけではないということや、そもそも何故ドーピングが禁止されているのか、ということについてはなかなか知られていないことです。
その辺りのことについて、スポーツファーマシストの立場から今回・次回と2回に分けてご紹介していきます。
そもそもドーピングって何?
言葉の由来は諸説ある様ですが、先住民族がお祭りの際、興奮するために「DOPE(ドープ)」という強いお酒を使っていたことが語源と言われています。
「ドーピング」は「スポーツの世界で使用が禁止されている物質や方法を使用したり、またその使用を隠したりすること」とされています。
また、「ドーピング」に対して「アンチ・ドーピング」という言葉を使いますが、これは「ドーピングに反対して、ドーピングをなくそうとすること」です。我々スポーツファーマシストの活動はこの「アンチ・ドーピング」活動です。
そして、アンチ・ドーピングの規則は「世界アンチ・ドーピング規定(World Anti-Doping CODE)」と呼ばれる世界共通のルールに従っています。
ドーピングが禁止される理由

ドーピングは何故禁止されているのか・・・・。
単純に考えれば、それはズルいから。薬などに頼って楽な方法で勝とうとするのですから。
しかし、それだけではありません。
- ①フェアプレーの精神に違反する
- ②健康を害する
- ③反社会的である
こういった理由で禁止がされていますが、これらは全て一つのものに集約されます。
それは、「スポーツの価値」を損なうということです。
スポーツの価値
「価値」というものはスポーツにも存在します。
スポーツの価値・・・・・考えてみたことはありますか?
漠然としたものなので、言葉に表すことが難しいかもしれません。
ですが、スポーツをすることによって何を得られるかを考えてみてください。
自分が目標を達成した時・・・・
勝った時・・・・
応援している選手が頑張っている姿を見た時・・・・
サッカーW杯で日本代表がゴールを決めた時・・・・
この様なときに何を感じ、またその過程で何を得られるでしょうか?
達成感・喜び・チームワーク・レベルアップした競技力・感動など・・・様々なものを感じ、また得ることが出来るでしょう。
世界アンチ・ドーピング規定ではスポーツの価値を次のように記載しています。
- ①倫理観、フェアプレーと誠意
- ②健康
- ③卓越した競技力
- ④人格と教育
- ⑤楽しみと喜び
- ⑥チームワーク
- ⑦献身を真摯な取組み
- ⑧規則、法を尊重する姿勢
- ⑨自分自身とその他の参加者を尊重する姿勢
- ⑩勇気
- ⑪共同体意識と連帯意識
これらはスポーツに内在し、スポーツを通して実現するものとされています。
「ドーピング」はこれらスポーツの価値を損なうものです。
応援していた選手が意図的にドーピングをしていたらどんな気持ちになりますか?
対戦相手がドーピングをしていたことを知ったらどう感じますか?
ボクシングの山中慎介選手や男子ハンマー投げの室伏広治選手は、ライバル選手のアンチ・ドーピング規則違反によりどの様な気持ちになったでしょうか・・・?
「ドーピング」によりそこにあった「スポーツの価値」はすべてなくなってしまいます。
「ドーピング」は単純にズルいという理由だけではなく、「スポーツの価値を損なう」という理由で禁止されているのです。
アンチ・ドーピングのルール

薬を飲むことによって違反となることは想像ができるかと思います。
では、規則について見てみましょう。
- ①採取した尿や血液に禁止物質が存在すること
- ②禁止物質・禁止方法の使用または使用を企てること
- ③ドーピング検査を拒否又は避けること
- ④ドーピング・コントロールを妨害または妨害しようとすること
- ⑤居場所情報関連の義務を果たさないこと
- ⑥正当な理由なく禁止物質・禁止方法を持っていること
- ⑦禁止物質・禁止方法を不正に取引し、入手しようとすること
- ⑧アスリートに対して禁止物質・禁止方法を使用または使用を企てること
- ⑨アンチ・ドーピング規則違反を手伝い、促し、共謀し、関与すること
- ⑩アンチ・ドーピング規則違反に関与していた人とスポーツの場で関係を持つこと
以上のように、アンチ・ドーピング規則違反は10項目あります。
そうです、見てわかるように「禁止物質を使うこと」だけが違反ではありません。
そして8番目「他の選手に対して禁止物質・禁止方法を使用すること」を見て何かを思い出しませんか?
そう、カヌーの事件です。他のアスリートに禁止物質を摂取させるような行為を行った事例です。これは「パラ・ドーピング」と呼ばれるものです。
トップ選手になると、この様な事例を防ぐためにファンからの差し入れなどは決して口にしないことを徹底しているアスリートもいます。また、レストランで座席を離れる際にも注意が必要です。その間に何をされるかわかりません。
アスリートは自分の口に入れるものは全て気を付けていなければならないのです。
「ドーピングはやってはいけない」という理解はあるかと思いますが、ではなぜなのか?また詳しいルールはどんなものなのか?ということについてはなかなか知る機会がないと思います。
是非この機会に「アンチ・ドーピング」というものを少しでも考えてみて下さい。