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2018.09.30

サブ3.5達成のためのLSD

こんにちは。
東京都板橋区ウィンゲートトレーニングセンターのランニング事業部トレーナーの齋藤大輔(さいとう だいすけ)です。

今回もサブ3.5を目指すランナー向けに記事を書きました。
フルマラソン完走サブ4を目指すランナーにとっても参考になると思うので是非ご一読ください。

フルマラソンを走るランナーなら、必ずとりいれておきたいトレーニングがロング・スロー・ディスタンス、略してLSDです。

この「ゆっくり、長く」なトレーニングが不足しているランナーが多く見られます。

ジョギングよりもゆっくりなペースで長時間走り続ける地味なトレーニングですが、マラソンランナーとして体力をつくるためには非常に高い効果を発揮します。




ゆっくり、長く走ることが失速を最小限にする




ゆっくりと長い距離を走るLSDは、有酸素運動能力を高めるトレーニングです。

42.195kmという距離を目標時間内で走りきるためには、この有酸素運動能力がなくては難しいです。

LSDを行うことで毛細血管が増加し、体脂肪が燃焼しやすく持久力も高まるなど、体にはさまざまな変化が現れます。
フルマラソンでは3時間半近い時間を走りきるわけですから、長い時間を走り続けるメンタリティを養う意味でも、LSDトレーニングは非常に重要なのです。

またフルマラソンでは30kmを超えたところで脚がパタリと止まる、いわゆる「30kmの壁」と呼ばれる現象があります。
LSDトレーニングが不足していると、こうした失速を招くことになりかねません。

壁の原因は他にも、オーバーペースで無酸素運動的な走りになり乳酸が溜まること、もしくはエネルギー不足によるグリコーゲンの枯渇、ランニングフォームの崩れや、ナトリウム不足など、幾つもの要因が考えられますが、人によって陥りやすい傾向はそれぞれ異なります。

LSDトレーニングを重ねることは、こうした状況への耐久性がつくだけでなく、自分の弱点を知り、改善につなげるキッカケにもなるのです。




フルマラソンを支えるジョグ




LSDトレーニングでは、ジョギングよりもやや遅いペースを目安に、長い時間できるだけ立ち止まらずに走り続けることが重要です。

ゆっくり長く走っているうちに、体が軽く、どこまでも走れるような「ランニング・ハイ」状態になったとしても、ペースを上げるのはNG

フルマラソンを走りきる体力を強固にするためには、「ゆっくり長く」が重要であると肝に銘じましょう。

長時間、ゆっくりと体に負荷をかけることで、筋肉内の毛細血管を発達させることができます。
毛細血管は、動脈が運ぶ酸素や栄養素を筋肉に渡し、かわりに二酸化炭素や老廃物を静脈に運ぶ役目を持ちます。

下記が、毛細血管を増やすことの主なメリットの一覧です。

・全身への酸素輸送能力が向上し、最大酸素摂取量が高まることで心肺機能が高まる
・筋肉内の酸素運搬能力が高まることで、乳酸の生成量が減少する
・持久力が向上する
・血流がよくなり、疲労物質を素早く除去して筋疲労を軽減、回復スピードを高める
・毛細血管を通して、より多くのエネルギーが筋肉に運搬される
・有酸素運動がより効率的に行える

つまり毛細血管が発達することで血液の流れが格段に向上し、心肺機能が高められるのです。

その結果、マラソンに重要な有酸素運動能力が上がることになります。




 長時間、長距離のランに慣れる




体脂肪の燃焼には有酸素運動が有効なこと、そして燃焼が始まるには一定の時間が必要なことはよく知られています。

ゆっくり長く走るLSDは完全な有酸素運動であり、体脂肪を減らすダイエット効果と、脂肪をエネルギーに変えやすい体質にする効果があります。

さらに長時間走り続けることで、持久系の筋力もアップし、マラソンを走りきる体力のベースとなります。

通常、人間の体は同じ運動を続けていると90分ほどで疲労のピークを迎え、血糖値が下がったり、低ナトリウム症が起きるなどさまざまな症状が出ます。

これは初心者からエリートまで一様に起こる現象です。

長時間走るLSDでは、自分がどういう疲労現象を起こしやすいのかシミュレーションが可能です。

また、体と精神に長時間走る時間感覚を慣れさせる効果もあります。




LSDをやろう!




このように、マラソンランナーとしてLSDトレーニングが欠かせないことがお分かりいただけたと思います。

その効果は、どれもフルマラソンをサブ3.5という目標タイムで走りきるために必要な能力ばかりです。

特に本番に向けた走り込みの期間は、積極的にトレーニングに取り入れることを心がけていきましょう!

 

ウィンゲートラン ホームページ
http://www.wingate.club/run.html