
2018.06.19

スポーツで発生する肉ばなれ

こんにちは。板橋区にある運動総合施設ウィンゲートトレーニングセンターのアドバイザリースタッフ紀平です。
今日はスポーツでよく起こる「肉ばなれ」についてのお話です。
運動会で急に走ったお父さんが肉ばなれ…
テニスでボールを打とうとする前に肉ばなれ…
ジャンプした瞬間に肉ばなれ…
全速でダッシュした時に肉ばなれ…
スポーツ愛好家にも、スポーツ選手にも多い筋肉のケガ。それが、肉ばなれです。
ケガをした時に「ぶちんっ」「ばちんっ」といった特有の感覚を得ることが多いものです。
感覚的には、まさに筋肉が離れたように捉えられます。
以前、肉ばなれは、筋肉の部分断裂と捉えられていました。
しかし、実は肉ばなれとは、筋肉が切れているのではないことがわかってきました。
肉ばなれとは一般的に筋肉が筋肉を包む筋膜から剥がれることをいいます。
だから、ケガをした選手は「筋肉が切れた」というよりも
「筋肉が離れた」という表現をしてきたんですね。
たとえば、ダッシュしている最中、脚を前に出しますね。
この時に太ももの後ろ側の筋肉(ハムストリング)が肉ばなれを起こすことが多いです。
脚を前に出して着地する寸前に、ハムストリングは引き伸ばされながら力を発揮しています。
このような筋肉の収縮様式を遠心性(Eccentric)収縮と呼んでいます。
Eccentricという言葉からわかるように
筋肉は一般的には長さを縮めながら収縮するのですが
上記のランニングの着地前の局面のように
運動の中では筋肉が引き伸ばされながら収縮することがあります。
(ややこしいですね。だからeccentricなんです)
肉ばなれは、このEccentricな収縮の時に起こりやすいとされています。
肉ばなれが多く発生するのは
ハムストリングの他に、太もも前側にある大腿四頭筋、ふくらはぎにある腓腹筋など
脚の筋肉です。
見分けるべきケガには、遅発性筋痛、いわゆる筋肉痛があります。
筋肉痛の痛みの分布は「この辺り」と手のひらで指せることが多いのに対して
肉ばなれの痛みは「ここ」と指先で指せることが多いのが特徴です。
これは遅発性筋痛が筋肉の全体的な痛みなのに対して
肉ばなれは、特定の箇所の損傷(キズ)だからです。
また、肉ばなれをすると
指先で示せる痛みの部位に陥凹が生じることがあります。
肉ばなれは、しばらく休んでいると治っていくような印象がありますが
必ずしもそうとは限りません。
足首の捻挫と同じで、初期の診断または適切な判断が的確な治療選択のために必須です。
1.ケガした筋肉のストレッチ
まずはケガが疑われる筋肉をストレッチします。
ここで評価するのは、ストレッチする感じが出るか、またはストレッチ感よりも痛みが出るかです。
ストレッチ感が出るケガは、軽症のことが多いです。
一方で、ストレッチ感よりも限定的な部位に痛みが出る場合は
重症や中等症なことが多いです。
2.MRIまたは超音波
ストレッチ時に痛みが出る場合
重症か中等症かの判断はMRIや超音波を用います。
ですから、ストレッチして痛みが出るなら、整形外科にかかったほうが良いでしょう。
接骨院の中には超音波診察装置を使って
肉ばなれの重症度を判断しているところもありますが
まだまだその数は限られます。
スポーツ専門の整形外科を受診してMRIによる診断を得たほうが確かです。
重症では、筋肉が骨に付く付着部周辺で引き抜かれて損傷しています。
この場合は一般的に、手術が適応となります。

スポーツ復帰までの基本計画は足首の捻挫と同じです。
まず休んで(皮膚の表面からでは見えない)傷を治しつつ
次第に動かせる範囲を広げると同時に
筋力を回復させていきます。
そして、スポーツに段階的に復帰します。
肉ばなれは、足首の捻挫以上に、痛みが引くのが早い印象があります。
そのため、「痛くない=治った! 競技復帰!」と考えて競技に復帰し
再受傷するケースが後を絶ちません。
今一度、皮膚の傷を思い返してください。
カサブタができれば、もう傷口は痛くありません。
ですから「痛くない=治った」は間違い!です
つまり、魔法のように特殊な治療や特殊なサプリメントで
痛みがその日のうちに無くなることはあるかもしれませんが
筋肉の傷は、その日のうちには治っていません!
よって、そのような魔法は不要です。
それに、もし特殊な方法で傷も治るというなら、皮膚表面の傷も治りますよね。
スポーツによる肉ばなれの治療のゴールは
痛みの消失ではなく
構造と機能の回復なのです!
まず、ストレッチ感が出るようにスポーツ活動を休止します。
次に筋肉を柔らかくして可動域を取り戻します。
さらに筋力を回復させていきます。
最後にスポーツに段階的に復帰します。
言葉にすると当たり前のことばかりですが
当たり前のことをバカにしないで、ちゃんとやっていくことこそが
とてもとても大事なのです。
今日はスポーツでよく起こる「肉ばなれ」についてのお話です。
運動会で急に走ったお父さんが肉ばなれ…
テニスでボールを打とうとする前に肉ばなれ…
ジャンプした瞬間に肉ばなれ…
全速でダッシュした時に肉ばなれ…
スポーツ愛好家にも、スポーツ選手にも多い筋肉のケガ。それが、肉ばなれです。
肉ばなれとは?
ケガをした時に「ぶちんっ」「ばちんっ」といった特有の感覚を得ることが多いものです。
感覚的には、まさに筋肉が離れたように捉えられます。
以前、肉ばなれは、筋肉の部分断裂と捉えられていました。
しかし、実は肉ばなれとは、筋肉が切れているのではないことがわかってきました。
肉ばなれとは一般的に筋肉が筋肉を包む筋膜から剥がれることをいいます。
だから、ケガをした選手は「筋肉が切れた」というよりも
「筋肉が離れた」という表現をしてきたんですね。
たとえば、ダッシュしている最中、脚を前に出しますね。
この時に太ももの後ろ側の筋肉(ハムストリング)が肉ばなれを起こすことが多いです。
脚を前に出して着地する寸前に、ハムストリングは引き伸ばされながら力を発揮しています。
このような筋肉の収縮様式を遠心性(Eccentric)収縮と呼んでいます。
Eccentricという言葉からわかるように
筋肉は一般的には長さを縮めながら収縮するのですが
上記のランニングの着地前の局面のように
運動の中では筋肉が引き伸ばされながら収縮することがあります。
(ややこしいですね。だからeccentricなんです)
肉ばなれは、このEccentricな収縮の時に起こりやすいとされています。
肉ばなれが多く発生するのは
ハムストリングの他に、太もも前側にある大腿四頭筋、ふくらはぎにある腓腹筋など
脚の筋肉です。
見分けるべきケガには、遅発性筋痛、いわゆる筋肉痛があります。
筋肉痛の痛みの分布は「この辺り」と手のひらで指せることが多いのに対して
肉ばなれの痛みは「ここ」と指先で指せることが多いのが特徴です。
これは遅発性筋痛が筋肉の全体的な痛みなのに対して
肉ばなれは、特定の箇所の損傷(キズ)だからです。
また、肉ばなれをすると
指先で示せる痛みの部位に陥凹が生じることがあります。
手術で治療することも
肉ばなれは、しばらく休んでいると治っていくような印象がありますが
必ずしもそうとは限りません。
足首の捻挫と同じで、初期の診断または適切な判断が的確な治療選択のために必須です。
1.ケガした筋肉のストレッチ
まずはケガが疑われる筋肉をストレッチします。
ここで評価するのは、ストレッチする感じが出るか、またはストレッチ感よりも痛みが出るかです。
ストレッチ感が出るケガは、軽症のことが多いです。
一方で、ストレッチ感よりも限定的な部位に痛みが出る場合は
重症や中等症なことが多いです。
2.MRIまたは超音波
ストレッチ時に痛みが出る場合
重症か中等症かの判断はMRIや超音波を用います。
ですから、ストレッチして痛みが出るなら、整形外科にかかったほうが良いでしょう。
接骨院の中には超音波診察装置を使って
肉ばなれの重症度を判断しているところもありますが
まだまだその数は限られます。
スポーツ専門の整形外科を受診してMRIによる診断を得たほうが確かです。
重症では、筋肉が骨に付く付着部周辺で引き抜かれて損傷しています。
この場合は一般的に、手術が適応となります。
復帰の基本

スポーツ復帰までの基本計画は足首の捻挫と同じです。
スポーツで頻発する足首の捻挫
こんにちは。東京都板橋区にある運動総合施設ウィンゲートトレーニングセンターのアドバイザリースタッフ紀平です。 ...
まず休んで(皮膚の表面からでは見えない)傷を治しつつ
次第に動かせる範囲を広げると同時に
筋力を回復させていきます。
そして、スポーツに段階的に復帰します。
肉ばなれは、足首の捻挫以上に、痛みが引くのが早い印象があります。
そのため、「痛くない=治った! 競技復帰!」と考えて競技に復帰し
再受傷するケースが後を絶ちません。
今一度、皮膚の傷を思い返してください。
カサブタができれば、もう傷口は痛くありません。
ですから「痛くない=治った」は間違い!です
つまり、魔法のように特殊な治療や特殊なサプリメントで
痛みがその日のうちに無くなることはあるかもしれませんが
筋肉の傷は、その日のうちには治っていません!
よって、そのような魔法は不要です。
それに、もし特殊な方法で傷も治るというなら、皮膚表面の傷も治りますよね。
スポーツによる肉ばなれの治療のゴールは
痛みの消失ではなく
構造と機能の回復なのです!
まず、ストレッチ感が出るようにスポーツ活動を休止します。
次に筋肉を柔らかくして可動域を取り戻します。
さらに筋力を回復させていきます。
最後にスポーツに段階的に復帰します。
言葉にすると当たり前のことばかりですが
当たり前のことをバカにしないで、ちゃんとやっていくことこそが
とてもとても大事なのです。