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2018.08.02

富士登山の準備〜トレーニング編〜

こんにちは。
東京都板橋区ウィンゲートトレーニングセンターのランニング事業部トレーナーの齋藤大輔(さいとう だいすけ)です。


この夏、富士山を登ろうと考えている方に向けてブログを書いております。

これまでの記事はこちら↓

『富士登山チャレンジ2018』
http://www.wingate-tc.com/2018/07/12/富士登山チャレンジ2018/

『富士登山の準備~登山ルート編~』
http://www.wingate-tc.com/2018/07/14/富士登山の準備~登山ルート編~/

『富士登山の準備~環境編~』
http://www.wingate-tc.com/2018/07/19/富士登山の準備~環境編~/

『富士登山の準備~道具編~』
http://www.wingate-tc.com/2018/07/26/富士登山の準備~道具編~/

今回は富士登山に必要な体力要素トレーニングについて解説していきたいと思います。

これまで富士山についての知識をこのブログを通して身につけていただいたと思います。
その知識は実戦で活かせないと意味がありません!

そして富士山を登頂するためのものです!
登頂することは簡単そうに見えますが、そうではありません。
(※特に御殿場ルートに限り)

無事に登頂するために、必要な体力要素とトレーニングについて確認していきましょう。

 

体力要素① 持久力




登山に必要なのは強靱な肉体でもなければ、アスリートのような精神力でもありません。
つまり長時間に渡ってじっくりと歩き続けることができる持久力が必要です。

登山者の悩みの一つに「登りで息がきれる」ということがあります。
登りでは自分の体重と荷物重量を持ち上げる動作が必要となってくるため、筋力だけでなく、心肺機能にも負担かかかります。

そのため、持久力不足だったり、オーバーペースだったりすると、息が上がります。

登りで息が切れないようにするためには、「息が切れないマイペース」で登ることが重要ですが、持久力トレーニングも行っておくことが大事です。

 

体力要素② 脚力(筋力)




登山はカロリーや水分がどんどん減って、常に不足した状態で長時間筋肉を使いながら有酸素運動するという特殊なスポーツです。

山は登りがあれば下りがあり、筋肉の疲労は全く異なります。

特に筋肉の使用量が大きいのは、下りです。

下りと聞くと、最初の印象は、楽だと思いますが、実は普段使わない筋肉の使い方のため、最も筋肉が酷使されます。

登るときには大腿部の筋肉、登りの膝を伸ばすのに対して下りでは着地の時に膝を曲げます。

膝を伸縮する動作で大腿四頭筋やハムストリングス、下腿三頭筋などの筋肉を使います。

富士山は8合目あたりから岩場が多くなり、歩幅も広くなり、自分の体をコントロールしながら股関節と膝関節の曲げ伸ばしが増えてきます。

下山では、その岩場を下りてくるので、広い歩幅での着地が足腰に大きな荷重が掛かります。

自分の体を支える脚力(筋力)が必要なわけです。

 

体力要素③ 高山病(低酸素)耐性




高山病の原因は低酸素状態です。
概ね標高2500mでは酸素は海面上の73%に薄まります。
1日で1800mから2500m以上登れば高山病が出やすくなりますが、1200mでも症状が出る事があります。

登山の経験が増えても高山病の症状が出なくなる事はないそうです。

ただし高山病になりやすい体質かどうか確かめる、高山病の症状を体験し対応方法になれる等を目的としてトレーニングをすることはできます。


高山病の症状ですが、①山酔い②高地脳浮腫③高地肺水腫の3つに分かれます。

① 山酔い:頭痛、倦怠感、吐き気、嘔吐など二日酔いのような症状です。高地についてから6〜12時間後に始まります。「妙に気分が良く感じる」多幸感のために、自分の体調の変化に気付きにくくなる事があります。自覚症状ばかりでなく、呼吸や心拍数が増えていないか、唇や爪の色が紫になっていないか、受け答えが遅くなる、痙攣や意識がもうろうとなるなどの変化にお互い注意してください。

② 高地脳浮腫:倦怠感が強まり考えがまとまらず、ふらふらしてまっすぐ歩けなくなります。踵とつま先を交互に付けて一本橋をわたる様に歩けなくなります。ちなみに高度3000m〜4500mを飛ぶ飛行機では低酸素症が出てから1時間以内に意識を失い、高度5400mでは30分、7500mでは2〜3分とその時間が短くなります。

③ 高地肺水腫:最初動いた後の息切れが強くなります。徐々に休んでいても息切れが出てきます。安静にしても数分以上息切れが続く時には直ちに対応が必要です。

標高3776mの富士山に登るためには、高山病(低酸素)に少しでもなりづらい体にする必要があります。

 

トレーニング① 持久力トレーニング




持久力トレーニングを行う上で、

①強度(トレーニングをどのくらいの強さで行うか)


②時間(1回に何分間行うか)


③頻度(1週間に何回行うか)


を考えることが重要です。

その要素を上手く組み合わせると、持久力トレーニングも効率よく行うことができるようになります。

例えば、長い時間が取れる場合には強度を落としたトレーニング、短い時間しかない場合は強度を高くしたトレーニング、といったように、日常生活や体調、気候に合わせて上手くトレーニングを行いましょう。

また、トレーニングを行う際に、心拍数(1分間に心臓が血液を送り出す回数)を指標とすると、より効果的なトレーニングが可能です。

持久力向上のためには、最大心拍数の60〜80%の強度でトレーニングを行うと良いでしょう。

目標心拍数 = { ( 220 - 年齢 ) - 安静時心拍数 }× 60〜80% + 安静時心拍数


※安静時心拍数とは起床時の心拍数
(例えば、年齢が30歳、安静時心拍数が60拍/分、強度が70%の場合、{(220-30)-60}×70%+60=151となり、持久力トレーニングのためには心拍数151程度の運動が必要となる)

オススメは、

・ランニング
・サイクリング
・水泳
・低山登山やハイキング

などの有酸素運動です。

富士山御殿場ルートを登るには、1回に60分以上1週間に2〜4回の頻度で行いましょう。

 

トレーニング② 筋力トレーニング




登山は全身の筋肉を使いますが、ハムストリングスや大腿四頭筋、臀部などを特に鍛える必要があります。

下山に必要な筋肉はスクワットなどが効果的です。

富士山を下山すると、クォータースクワット(腰を落とした時に大腿が地面と水平になる手前で止めるスクワットのこと。膝を最大限曲げる「フルスクワット」の4分の1程度の角度であるためこう呼ばれる)を500回行うのと同じぐらい筋肉にストレスがかかるといわれています。

もちろん、普段の生活で500回もスクワットはできませんが、できる範囲で筋力トレーニングを取り入れて欲しいです。

 

トレーニング③ 低酸素トレーニング




人工的に低酸素環境下を再現できる低酸素ルームの中で行う低酸素トレーニングは高山病の予防に非常に有効です。

高所登山のための高地順化としてよく使われ、高地に弱い人でもトレーニングを行えます。

ウィンゲートトレーニングセンターの低酸素ルームは室内酸素濃度を標高3000m程に設定しております。
標高3000mというのは富士山でいう8合目くらいの高さです。

日本で行う高地トレーニングは標高2000m前後で、アメリカのボルダーが標高1650〜1800m、スイスのサンモリッツが標高1800m、スペインのグラナダが標高2300mです。
外国では標高2400m以上で低酸素トレーニングを実施することがメジャーになってきていて、これまでより確実に標高が上がっています。
しかし、日本国内で標高2400m以上でトレーニングする場所は富士山くらいしかなく、低酸素ルームをうまく使うことが非常に重要です。

高地に行くと、脱水に特別な注意を払う、順化に日数をかける順化局面を必ず守る、万全な体調で臨む、リカバリー局面に対する測定の強化など、注意しなければならない点がいくつかあります。
また、高地に行って体調が悪くなれば、下りなければならず、かなり慎重に行う必要があります。

しかし、低酸素ルームでは体調が悪くなれば室外に出ればよく、低酸素ルームでの注意点が少ないのは理想的です。
低酸素ルームを利用した低酸素トレーニングは日常生活環境の中で気軽に実施できることがメリットです!

 

まとめ




富士登山に必要な体力要素をおさらいします。

① 持久力


② 脚力(筋力)


③ 高山病(低酸素)耐性


 

これらを高めるためのトレーニングもおさらいします。

① 持久力トレーニング


② 筋力トレーニング


③ 低酸素トレーニング


 

これを全てトレーニングできるのがウィンゲートトレーニングセンターです!

持久力を高め、高山病(低酸素)耐性を作るには低酸素トレーニングです。

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ウィンゲートラン ホームページ
http://www.wingate.club/run.html

計50分の低酸素トレーニングは都度利用2,160円でご利用いただけます!

 

脚力(筋力)を高めるためのトレーニングクラスも開催しております!

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富士登山チャレンジ2018
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