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2018.07.27

頭痛にも色んな種類がある

こんにちは。ウィンゲートトレーニングセンター、ボディケア事業部の岡田です。

暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?この時期は「ゲリラ豪雨」などと呼ばれるようになった突然の激しいにわか雨や、ちょうど今週末に関東を直撃する可能性が高い台風など、突然の天候変化が多い季節です。

さて、低気圧が近づくと何かしら体調に異変を感じられることはありませんか?

台風が発生した時や、雨が降る前に頭痛またはその予兆を感じられることはありませんか?

 

今回は片頭痛も含めた、「頭痛」に関するお話です。何かしらが原因で「頭が痛い」という経験をされたことのある方は多いと思います。しかしその原因は様々で、それぞれ適切な対処方法(薬の使い方も含めて)があります。

 

色んな種類の頭痛




頭痛は、国際頭痛分類によると大きく分けて「一次性」「二次性」に分けられています。

▢一次性頭痛(頭痛そのものが疾患である)

 ①緊張型頭痛

 ②片頭痛

 ③三叉神経・自律神経性頭痛(群発頭痛含む)

 ④その他一次性頭痛疾患

 

▢二次性頭痛(頭頚部に何かしらの原因疾患がある)

 ①頭頚部外傷・傷害による頭痛

 ②頭頚部血管障害による頭痛

 ③非血管性頭蓋内疾患による頭痛

 ④感染症による頭痛

 ⑤精神疾患による頭痛

  ・・・など

「二次性」のものについては、クモ膜下出血や脳腫瘍など命に関わる危険な頭痛も含まれます。

「今まで経験したことのないほどの痛み」「急激に悪化している」などの症状がある場合には危険な頭痛の可能性があるので、自己判断で様子を見るのではなく、すぐに病院へ行きましょう。

また、めまい・耳鳴り・体の痺れなどがないかも確認しましょう。

 

 

一次性頭痛


 

さて、今回は一次性頭痛をターゲットに、その中でも頻度が高く一般的に知られている「緊張型頭痛」と「片頭痛」についてご紹介します。

 

緊張型頭痛


その名の通り、精神的・肉体的な緊張が原因の頭痛です。

よく「締め付けられるような痛み」と表現されます。

肩から首にかけての筋肉が過度に緊張することで血流が低下し、その部位を中心にプロスタグランジン・ブラジキニンといった痛みに関連する物質が産生されます。それらが血液を介して神経を刺激することで頭痛発作が起きます。

 

 

片頭痛


「脈打つような痛み」として表現されることが多い頭痛です。

身体を動かすと痛みが増す、光や音、臭いに過敏となり、時に悪心・嘔吐を伴うことがあります。また、頭痛の前兆として閃輝暗点(目の前がチカチカする)がみられる場合もあります。

片頭痛の原因は諸説あり、その中でも「三叉神経血管説」が支持されていると言われています。

 

<三叉神経血管説>


①三叉神経終末が刺激を受ける



②三叉神経からCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)やサブスタンスPなどの血管作動性物質が放出



③血管が拡張、血管透過性の亢進により血漿蛋白が漏出。血管周囲の肥満細胞が脱顆粒しヒスタミンなどを放出



④血管周囲の三叉神経が神経原性炎症を起こす



⑤炎症が大脳皮質に伝わる痛みとして知覚される


よく、入浴時や週末リラックスした時に発作が出るという方がいらっしゃいますが、それはリラックスすることで血管が広がることがその要因であると考えられます。

 

 

一次性頭痛の治療薬



<緊張型頭痛>


慢性頭痛の診療ガイドライン2013によると、NSAIDsやアセトアミノフェンといった鎮痛薬が推奨されています。

※NSAIDsについては以前の投稿を参照ください:痛み止めとうまく付き合うために①


また、「筋肉の緊張」が原因であるため、筋弛緩薬や血行促進の目的で漢方薬が使用されることがあります。

〇筋弛緩薬

 ・エペリゾン(商品名:ミオナールなど)

 ・クロルフェネシンカルバミン酸エステル(商品名:リンラキサーなど)  

 ・チザニジン(商品名:テルネリンなど)

 

〇漢方薬

 ・葛根湯など

 

<片頭痛>


NSAIDsも使用されますが、片頭痛には「特効薬」「予防薬」があります。

 

▢トリプタン系薬

血管のセロトニン受容体に作用し、拡がった血管を収縮させます。また、三叉神経のセロトニン受容体にも作用し、過敏となっている三叉神経を鎮静化させ、血管作動性物質の放出を抑制します。

つまり、拡がった血管を縮め、神経の興奮を鎮めることで片頭痛の症状を和らげてくれる薬です。

この薬は使い方にもポイントがあり、「頭痛が出始めた時」に速やかに服用することで効果を発揮します。そのため、まだ痛みがない予兆の段階や、逆に痛みが強くなった段階では効果が得られません。使うタイミングが重要な薬です。

〇トリプタン系薬

 ・スマトリプタン(商品名:イミグラン)

 ・ゾルミトリプタン(商品名:ゾーミッグ)

 ・エレトリプタン(商品名:レルパックス)

 ・リザトリプタン(商品名:マクサルト)

 ・ナラトリプタン(商品名:アマージ)

 

また、予防で薬を使用することで頻度や重症化を防いだり、鎮痛薬やトリプタン系薬の使用頻度を抑えることが出来ます。

〇予防薬

 ・バルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケンなど)

 ・プロプラノロール(商品名:インデラルなど)

 ・塩酸ロメリジン(商品名:ミグシス)

 ・アミトリプチリン(商品名:トリプタノールなど)

 ・ベラパミル(商品名:ワソランなど)

 

他には呉茱萸湯といった漢方薬も効果的です。

この様に、NSAIDsを使う頻度が高く片頭痛の症状でお悩みの方は一度病院に受診することをお勧めします。状態によって「特効薬」などの処方が出る場合があります。

 

また、自分では「片頭痛」だと思っていても、実は「緊張型」だったり他の種類の頭痛だったり、または片頭痛と緊張型の混ざった「混合型」であることも。

さらに、鎮痛剤を乱用することで「薬物乱用頭痛」になってしまうこともあります。

先日ある方より、「知人のお子さんが頭痛でロキソニンを1回2錠で1日3回も飲んでいるが大丈夫か?」というご相談を頂きました。

・・・使い過ぎです。

歯の痛みなどの場合に頓服で1回2錠を飲むことはありますが、それを3回も飲めません。NSAIDsによる消化性潰瘍のリスクはもちろん、「薬物乱用頭痛」に陥ることもあります。受診歴がないとのことなので、まずは受診して医師の診断を受けることを勧めました。

 

季節の変わり目や天気の移り変わりの激しい時期に頭痛に悩まされている方、是非一度受診してみて適切な治療を受けてみてはいかがでしょうか??