
2018.09.26
高齢者にも運動が必要な理由
こんにちは。東京都板橋区にある運動総合施設ウィンゲートトレーニングセンターのアドバイザリースタッフ紀平です。
このブログをご覧いただいているのは、主に若い年代の方々ですが、おじいさんおばあさんと同居されている方や、ご実家におじいさんおばあさんがいらっしゃる方も多いでしょう。
加齢とともに体力が衰えていくのは当然ですが、アンチエイジングや介護予防として運動が注目されています。若い方にとっても必ず迎える将来の話。
今日は高齢者の方にも運動が必要な理由を説明します。

いきなりですが「フレイル」という言葉を聞いたことはありますか?
フレイルとは「虚弱な状態」のことで、健康と要介護との間に存在します。
しかし、ただ身体が弱っている状態を指すのではありません。
心理的にも社会的にも弱っている状態を指しています。
つまり、毎日家でじーっとしていて、ほとんど外に出ない。
そもそも外に出たいと思わない。
こういった状態も含めてフレイルなのです。
フレイルの要因として、サルコペニアが挙げられます。
サルコペニアとは、筋肉の量が減少した状態です。
高齢になって筋肉が痩せてくると、活動性が低下します。
活動性が低下すると、食欲が低下します。
食欲が低下して食事量が減ると、再び筋肉が痩せていきます。
このように高齢になって必然的に発生する
筋肉の量の減少つまりサルコペニアを発端として
フレイルは負の連鎖によって進行していくのです。
サルコペニア(筋量の減少)を発端に進行するフレイルは
一見、高齢になれば当然のように起こる現象のようにも思えますが、そうではありません。
フレイルな状態で転倒などのアクシデントが発生すると
骨折が発生するなどして要介護になる危険性が高いのです。
フレイルである高齢者とフレイルでない高齢者を比較して
7年後の要介護発生率と死亡率を比較した研究によると
要介護発生は、男性で約6倍、女性で約6.5倍。
死亡率は、男性で約4倍、女性で約11倍でした。
フレイルであることは、要介護または死亡のリスクを高め
つまりは健康寿命を短くしてしまうため
社会的な損失にも繋がるのです。
しかし、恐れることはありません。
フレイルは予防できるものだということがわかっています。

フレイルの予防は、主にサルコペニアの予防です。
つまり、筋肉を付ければ良いのです。
そのためには、運動と食事が重要です。
運動で効果的なのは、やはり筋肉を付ける筋力トレーニングです。
現在、様々な見解があってまだ意見が統一されていませんが
高齢者であっても60%1RM以上の負荷をかけることを推奨する研究を散見します。
ただし、高齢になると様々な疾患を抱えていることがあるため
筋トレ実施の際はかかりつけ医と相談の上
専門家の指導の下実施したほうが安全でしょう。
食事では、タンパク質を摂取します。
高齢になると肉や魚の摂取量が少なくなる方もいますが
1.06g/体重/日を目標に摂取します。
ある報告では、日に25gタンパク質を摂取しただけで要介護リスクが低減しました。
それほど、食事の内容は重要です。

健康寿命を伸ばすためには、フレイルを予防するために
運動と食事に注意することが重要です。
また、それと合わせて
フレイルに転倒が加わって要介護になることから
転倒を予防することも重要です。
転倒予防のためには
フレイルの方は筋トレを実施したほうが良いのですが
フレイルになる前の方も予防を実施したほうが良いことがわかっています。
その予防策は「二重課題」と呼ばれるものです。
二重課題とは、同時に2つのことを行うもので
たとえば歩きながら計算をしたり
歩きながら物事を思い出したりすることです。
簡単に実施できますから
ぜひ若い方にも実際にやっていただきたいと思います。
椅子に座った状態で
100から7ずつ引いていってください。
次に、椅子に座った状態で可能な限り早く足踏みしながら
100から7ずつ引いていってください(二重課題)。
どうだったでしょうか?
足踏みをするだけで、計算能力が落ちた方は
転倒の可能性が高まっているかもしれません。
ぜひ継続的に「二重課題」を実施してください。
以上のように、フレイルや転倒を予防のために筋トレや二重課題を実施すれば
動かないでじっとしているよりも活動性が高まって、お腹が減るかもしれません。
そうすれば食事量を確保できて、筋肉の減少を抑えられるでしょう。
また、こういった筋トレやエクササイズを
他の仲間と一緒に実施できたなら、社会参加にも繋がります。
このような生活が健康寿命を伸ばすことになるでしょう。
若い方、スポーツをしている方だけでなく
高齢者にも運動が必要な理由をご理解いただけたでしょうか。
若いうちから、ぜひ運動を継続しましょう。
このブログをご覧いただいているのは、主に若い年代の方々ですが、おじいさんおばあさんと同居されている方や、ご実家におじいさんおばあさんがいらっしゃる方も多いでしょう。
加齢とともに体力が衰えていくのは当然ですが、アンチエイジングや介護予防として運動が注目されています。若い方にとっても必ず迎える将来の話。
今日は高齢者の方にも運動が必要な理由を説明します。
フレイルとは?

いきなりですが「フレイル」という言葉を聞いたことはありますか?
フレイルとは「虚弱な状態」のことで、健康と要介護との間に存在します。
しかし、ただ身体が弱っている状態を指すのではありません。
心理的にも社会的にも弱っている状態を指しています。
つまり、毎日家でじーっとしていて、ほとんど外に出ない。
そもそも外に出たいと思わない。
こういった状態も含めてフレイルなのです。
フレイルの要因として、サルコペニアが挙げられます。
サルコペニアとは、筋肉の量が減少した状態です。
高齢になって筋肉が痩せてくると、活動性が低下します。
活動性が低下すると、食欲が低下します。
食欲が低下して食事量が減ると、再び筋肉が痩せていきます。
このように高齢になって必然的に発生する
筋肉の量の減少つまりサルコペニアを発端として
フレイルは負の連鎖によって進行していくのです。
フレイルの何が悪い?
サルコペニア(筋量の減少)を発端に進行するフレイルは
一見、高齢になれば当然のように起こる現象のようにも思えますが、そうではありません。
フレイルな状態で転倒などのアクシデントが発生すると
骨折が発生するなどして要介護になる危険性が高いのです。
フレイルである高齢者とフレイルでない高齢者を比較して
7年後の要介護発生率と死亡率を比較した研究によると
要介護発生は、男性で約6倍、女性で約6.5倍。
死亡率は、男性で約4倍、女性で約11倍でした。
フレイルであることは、要介護または死亡のリスクを高め
つまりは健康寿命を短くしてしまうため
社会的な損失にも繋がるのです。
しかし、恐れることはありません。
フレイルは予防できるものだということがわかっています。
フレイルの予防

フレイルの予防は、主にサルコペニアの予防です。
つまり、筋肉を付ければ良いのです。
そのためには、運動と食事が重要です。
運動で効果的なのは、やはり筋肉を付ける筋力トレーニングです。
現在、様々な見解があってまだ意見が統一されていませんが
高齢者であっても60%1RM以上の負荷をかけることを推奨する研究を散見します。
ただし、高齢になると様々な疾患を抱えていることがあるため
筋トレ実施の際はかかりつけ医と相談の上
専門家の指導の下実施したほうが安全でしょう。
食事では、タンパク質を摂取します。
高齢になると肉や魚の摂取量が少なくなる方もいますが
1.06g/体重/日を目標に摂取します。
ある報告では、日に25gタンパク質を摂取しただけで要介護リスクが低減しました。
それほど、食事の内容は重要です。
健康寿命を伸ばす

健康寿命を伸ばすためには、フレイルを予防するために
運動と食事に注意することが重要です。
また、それと合わせて
フレイルに転倒が加わって要介護になることから
転倒を予防することも重要です。
転倒予防のためには
フレイルの方は筋トレを実施したほうが良いのですが
フレイルになる前の方も予防を実施したほうが良いことがわかっています。
その予防策は「二重課題」と呼ばれるものです。
二重課題とは、同時に2つのことを行うもので
たとえば歩きながら計算をしたり
歩きながら物事を思い出したりすることです。
簡単に実施できますから
ぜひ若い方にも実際にやっていただきたいと思います。
椅子に座った状態で
100から7ずつ引いていってください。
次に、椅子に座った状態で可能な限り早く足踏みしながら
100から7ずつ引いていってください(二重課題)。
どうだったでしょうか?
足踏みをするだけで、計算能力が落ちた方は
転倒の可能性が高まっているかもしれません。
ぜひ継続的に「二重課題」を実施してください。
以上のように、フレイルや転倒を予防のために筋トレや二重課題を実施すれば
動かないでじっとしているよりも活動性が高まって、お腹が減るかもしれません。
そうすれば食事量を確保できて、筋肉の減少を抑えられるでしょう。
また、こういった筋トレやエクササイズを
他の仲間と一緒に実施できたなら、社会参加にも繋がります。
このような生活が健康寿命を伸ばすことになるでしょう。
若い方、スポーツをしている方だけでなく
高齢者にも運動が必要な理由をご理解いただけたでしょうか。
若いうちから、ぜひ運動を継続しましょう。