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2018.08.11

筋トレの負荷をどのように向上させるか

こんにちは。東京都板橋区にある運動総合施設ウィンゲートトレーニングセンターのアドバイザリースタッフ紀平です。
筋力トレーニング(筋トレ)は、体力向上のため、スポーツのパフォーマンス向上のため、ケガ予防のため、症状改善のため、様々な目的で実施している方が多い運動です。

では、筋トレの種目や負荷は、どのように変化させていくと良いでしょうか?

今日はこの点について、私見をまとめていきます。


種目の選択


特定の筋肉や動きを鍛えたいなら、相応の種目を選択します。
しかし、多くの場合はトレーニングの全面性の原則に照らし合わせて
様々な種目を組み合わせて実施しています。

この際、種目を大きく3つに分類しています。

1.スクワット系

2.デッドリフト(ルーマニアンデッドリフト)系

3.上半身系

クライアントのフォームの習熟度にもよりますが
これを1,3,2の順で実施することが多くあります。

高重量を扱うスクワットは集中力を要します。
また、キングオブエクササイズと呼ばれることからもわかるように
様々なトレーニング効果が期待できます。
そのため、前半に配置して、トレーニングセッション中の疲れの影響を少なくしています。

また、上半身の種目は
押す(プッシュ・プレス)系と引く(プル)系に分けています。
そして引く系の種目を実施した後に押す系の種目を実施しています。

とくに私が気に入ってよく実施しているのが
インバーテッドロウとベンチプレスです。

これらを実際に実施してみるとよくわかりますが、非常に近い動きなのです。
インバーテッドロウでは、体幹部を固定して、肩甲骨の内転が起こります。
これがベンチプレスでの体幹部の固定と肩甲骨の内転位保持における刺激となり
ベンチプレス時に安定して出力できる感覚が得られます。

 

また、押す系と引く系の種目は
可能な限り引く系の種目を多めに実施しています。

これは日常生活の影響を考慮してのことです。

日常生活では、たとえばパソコンやスマホの操作(つまり、今のあなたの姿勢)のように
肩や頭が前に出て肩甲骨が外転位になることが多くあります。
そして、その時間は長く、負担となって肩こりなどの症状を発現することがあるのです。

そのため、これらの症状・姿勢を助長しないため
引く系の種目を、押す系の種目よりも、多めに実施しているのです。

 

回数・セット数の増やし方




初めて実施する種目やフォームの習得が難しい種目では
非常に少ない回数から実施しています。
つまり、3回や5回から実施します。

一方で種目に慣れてきてフォームのエラー(理想的なフォームからの乖離)が少ない場合は
12回までを目処に順次回数を増加させていきます。

セット数は3セットを基本にして
メイン種目は7セットまで
補助種目は2,3セットを実施しています。

特徴的だと考えているのは
週あたりの回数の漸増法です。

たとえば8回実施する種目は
翌週には9回実施します。
翌々週には10回実施します。
さらにその翌週は9回実施します。

このように量にわずかな変化を与えています。
週ごとに1回の増加なので
なんとかこなすことができる選手が多いものです。

そうすると1週目に8回で実施していたものが
4週目にはほとんど無理なく、あるいは余裕を持って
9回実施できるようになっています。

このようにして、試合やレースをこの4週目や5週目に実施するようにして
体調に波を作っています。
4,5週目に試合やレースがない場合は
5週目に重量を増加させたり、より難易度の高い種目に変更させたりします。

重量を加えて具体的に解説すると
1週目に70kgで8回
2週目に70kgで9回
3週目に70kgで10回
4週目に70kgで9回
5週目に72.5kgで8回
6週目に72.5kgで9回
7週目に72.5kgで10回
8週目に72.5kgで9回
というように進めていきます。

 

まとめ


筋トレを実施している人は多いものの
いつも漫然とした種目や負荷で進めていて、飽きてしまう人も多いのが現実です。

せっかく良い効果のある筋トレですから
負荷や種目に波を持たせてあげて
体調の浮き沈みを意図的に作っていくことで
飽きずに続けていくことができるでしょう。

そのための1つの方法として
週ごとに重さは大きく変えず
回数を少しだけ増減させながら進めてみるのは、いかがでしょうか?

上記の方法を試してみると
次第に挙上重量が上がってきて
あるいは同じ重量が楽に挙上できるようになって
体力の向上をはじめ、様々な効果を感じることができるはずです。

ただし、これは原則的なものです。
実際のパーソナルトレーニングでは
さらに細やかな負荷の設定をしています。

たとえば、クライアントの姿勢に応じて
時には上半身の押す系の種目をあえて多めに実施することもあります。

また、たとえば仕事で出張が続いたり、期末であったりで忙しく疲れている場合には
本来10回3セットのハード週であっても
8回、10回、9回の3セットに変更するなどです。